千歳市の日常やスポーツでのケガ、交通事故後のムチウチなどを施術する整骨院。
青葉鍼灸整骨院の五十嵐です。
今回は、腰の疾患で代表的な腰椎椎間板ヘルニアについて詳しく解説していきたいと思います!

1つ1つの背骨の間にある椎間板の中に存在する髄核が椎間板の外に飛び出してしまい、神経を圧迫して腰痛・下肢痛(腰部から臀部・足先までの痛みやしびれ)を引き起こす病態です。(椎間板に関する記事)
原因は、加齢に伴う椎間板の退行変性(椎間板に繰り返しストレスをかけた結果、老化した状態)で、重いものを持ちあげる作業が多かったり、スポーツなどでの負担がきっかけとなる症例が多いようです。
一番多いのが20~40代で次に10代、50~60代の活動性の高い男性に多いんです。腰椎は5個の椎体で構成されていますが、ヘルニアが起こりやすいのは第4~5腰椎間の椎間板(L4~5と呼ぶこともあります)で、次に第5腰椎~第1仙椎(L5~S1)間、第3~4腰椎(L3~4)間なんですよね。多発性ヘルニアといって2つ以上の椎間板が問題を起こしているケースもありますが、複数のヘルニアが同時に症状を起こすことはあまりみられないです。
人間の身体の感覚は、正常な神経が通っているから感じるものです。その神経の基盤は、脳や脊柱(背骨)にあり、そこから神経が枝分かれして全身を走行しています。身体の部位や場所によってその神経を支配している元の部分も違ってくるのです。上記にヘルニアが発生しやすい高位をお伝えしましたが、この高位によって症状がでる部位も変わります。
・L4~5椎間の場合
足の親指・人差し指~すねの外側にかけての領域で、皮膚感覚の低下・痛み・筋力低下などの症状が起こります。この領域は前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋が支配されているため、足の親指を上に向ける動き(伸展)や足首を上に向ける動き(足関節の背屈)がしづらくなります。
・L5~S1椎間の場合
足の小指・薬指~踵にかけて(前面も後面も)の領域で、皮膚感覚の低下・痛み・筋力低下などの症状が起こります。この領域は下腿三頭筋(いわゆるふくらはぎ)・長母趾屈筋・長趾屈筋が支配されているため、主に足首を下に向ける動き(足関節の底屈)がしづらくなります。
・L3~4椎間の場合
すねの内側~太ももの内側にかけての領域で、皮膚感覚の低下・痛み・筋力低下などの症状が起こります。この領域は大腿四頭筋(前側の太もも)が支配されているため、膝を伸ばす動き(伸展)、股関節を曲げる動き(屈曲)がしづらくなります。

主に腰痛と片側の下肢痛を訴えることが多いです。運動や労働で症状は悪化し、安静にすると症状は落ち着いてきます。症状には、急性で起こる場合とだんだん起こる場合とがあります。(比較として、腰部脊柱管狭窄症に関する記事も併せてご覧ください)
・急性で起こる場合
頻繁にぎっくり腰になっていたところに、いきなり激しい腰痛と下肢痛が起こることもあるんですよね。多くは、重たい物を持ち上げた瞬間などをきっかけにおこり、初めは痛みが強いから身体を動かせないケースもあります。1~2日経つと、腰痛は落ち着き、圧迫された神経の支配領域に放散する下肢痛としびれが起こってきます。下肢痛は、咳やくしゃみで増すこともあるんです。聞いただけでもめっちゃ辛いですよね,,,
・だんだん起こる場合
同じ姿勢を保つのが、辛くて腰・臀部の痛み、下肢の重苦しい痛みがでてきます。下肢の筋力が低下すると、スリッパが脱げやすかったり、ちょっとした段差でつまずくこともあるんです。
・ヘルニアが重症の場合
両方の下肢の感覚障害・運動障害、さらに排尿障害(尿閉・残尿・りきみによる尿漏れなど)がいきなり起こってきます。この場合は早急に手術をしないといけないくらいの状態です。
①疼痛性跛行
症状が激しい急性期にみられ、痛みをかばうようにして歩きます。
②脊柱所見
痛みを避けようとして、身体を異常 に曲げたりします(側弯)。立ってる姿勢が背骨のカーブが少なくて背中や腰部が緊張しています。身体を丸めようとしても下肢痛がでるため動かせないのが特徴です。
③徒手検査
ヘルニアが起こった高位によって、支配神経領域の部位に感覚障害が生じるため、その支配神経周囲の筋肉を伸ばしたり圧迫する検査によってどこに感覚障害があり、どの高位にヘルニアが起こっているかを調べます。
④画像所見
・レントゲン:ヘルニアが起きている部分がはっきりとわかる検査ではなく、ヘルニアが起きてる可能性が高い部位の椎間板の隙間が狭くなってるかをみるものです。そして、転移性の腫瘍などの重い病気がないかの判断材料の1つです。
・MRI:椎間板の状態(形態や変性具合など)がどうなっているか明確にわかる検査です。ヘルニアの疑いがある人は必ずこの検査を受けます!
・その他(脊髄造影・椎間板造影など)
MRIの検査を行ったうえで手術が必要なほどの重い状態だった場合に行う検査です。

椎間板の髄核がどのくらい脱出しているかによって、治っていく期間も違えば、手術するしないも大きく影響してきますが、ヘルニアの主な原因は、垂直荷重に対する腰椎の安定性不足なんです。
手術をしてもしなくても、腰椎の安定性を出せば症状は改善されるんですよね。痛みを減らすために、腰やお尻・お腹・股関節回りの動きに制限がありそうな部分を治療で動かしやすくしていったり、腰椎に負担をかける動作があったとしたら、負担をかけない使い方を指導していったり、安定性を改善するために体幹に刺激をいれたりなどを行っていきます。痛みが強い場合は、コルセットをしていた方が腰椎が安定するので、効果的ですが長時間巻いていると腰回りの筋肉も硬くなりやすいので、コルセットをつけなくても自分の身体を安定させる能力は身につけておきたいですね!体幹について詳しい内容はこちらをご覧ください!引用:腹圧について
重症の場合(下肢の感覚・運動・排尿障害が持続している)は、手術を選択します。一般的には、腰椎の骨の一部分を切って圧迫しているヘルニアの腫瘤を取り除く手術が多いです。
①カウンセリング
ヒアリングをさせていただき、今どんなお悩みをお持ちなのかを確認します。
②アセスメント
身体の状況(姿勢、痛みの原因)を確認しながら、現在の状況を把握していきます。
③施術
痛みの原因となる筋肉、関節などに温熱治療器、高周波などを使ってアプローチします。
④エクササイズ
必要に応じてストレッチ、ピラティスなどを行い柔軟性を出していきストレスを改善します。
⑤プランニング
①~④を行った後に今後のプランを一緒に決めていきます。
千歳市の青葉鍼灸整骨院では、患者さんと適切なコミュニケーションを取り、身体の状態がどうなっているのか、だからこういうところに痛みが出ていて、こういう治療をしたら、こういう身体になるというところまで、お話をさせていただいております。
ご自身の原因がわからない不調・痛みや今回の記事にあてはまる症状など悩んでることがあったら、是非ご相談ください。

