千歳市の日常やスポーツでのケガ、交通事故後のムチウチなどを施術する整骨院。
青葉鍼灸整骨院の五十嵐です。
今回は、下半身の力を生み出している股関節の機能について詳しく解説していきたいと思います。

股関節は骨でいうと、寛骨臼と呼ばれる骨盤のへこみがあるところに、大腿骨頭(大腿骨の先端で丸みのある部分がはまっている球関節という特徴があります。(肩関節も球関節に当てはまります。)球関節は、色んな方向に動かすことができる自由度の高い関節です。肩関節の場合、浅いソケットからできている球関節のため、不安定感がありますが、股関節の場合、3次元的な動き以外に体重や荷重に耐えられるように大腿骨頭が寛骨臼を深く包み込むように作れています。その為、肩関節よりも圧倒的に安定感がある関節です。
直接大腿骨頭と寛骨臼が触れる部分では、関節唇や軟骨が間に入って骨と骨が擦れないように付着しています。大腿骨頭と寛骨臼の横を連結しているのが、主に細かい色んな靭帯や関節包、滑膜、滑液包といった軟部組織がついているんです。
股関節は冒頭でお伝えしたように、色んな方向に動かせる関節なので、沢山の靭帯が活躍しています。
・腸骨大腿靭帯:骨盤の前面の突起(下前腸骨棘)から大腿骨をつなぐ一番強力な靭帯
・恥骨大腿靭帯:恥骨と大腿骨をつなぎ、立位を安定させる靭帯
・坐骨大腿靭帯:寛骨臼の後ろから大腿骨をつなぐ靭帯
・大腿骨頭靭帯(円靭帯):関節がはまる部分にある靭帯で、股関節の安定性には関係ない
・寛骨臼横靭帯:円靭帯と股関節の関節包をつなぎ、股関節が脱臼しないように固定する役割

私たちは普段股関節を動かす時は、骨盤と大腿骨だけで動かしているわけではなく、”腰椎“も連動して動かしています。よく整骨院などで「骨盤が前傾・後傾している」という言葉を聞いたことありませんか?骨盤が前に傾くと、連動して腰椎は伸展方向に動いていきます。骨盤を後傾させたら腰椎は屈曲方向に動きます。これを「腰椎骨盤リズム」と呼んだりもします。
このように、骨盤が前後に傾くことで、腰回りの筋肉が収縮しやすい体勢になったり、お腹周りの筋肉が収縮しやすい体勢をとることができるのですが、偏った体勢が多くなり、この筋肉のバランスがくずれてしまうと股関節が動かしづらくなったり、腰痛を引き起こす原因になってしまうのです。
joint by joint 理論で考えたら、股関節は”可動すべき関節”であり、腰椎は”安定すべき関節”にあてはまるのですが、股関節や腰に症状を抱えている人の多くは、この関節の機能が逆転してしまい、股関節は動かしづらい、腰椎はグラグラになっているんですよね。(関節の役割について)
例えば、前かがみの姿勢が多い人で、股関節が伸展しづらい状態になっていたとしたら、股関節が屈曲位で姿勢を維持しているため、骨盤は前傾し腰椎は伸展状態で姿勢をキープしていると、だんだん腰が重くなってきたり、痛くなってきたりします。このケースは、腰部脊柱管狭窄症の人に多いです。
大事なのは、骨盤を前傾もできて後傾もできる柔軟性、重たいものを持つときには骨盤を中間位でキープできる体幹の安定性が身についていると、不調は起こりにくいはずです。座りっぱなしの人は股関節が固まりやすいため、適度に股関節を動かすことが(スクワットやストレッチなど)必要になってきます。スクワットについて詳しい内容はこちらを合わせてご覧ください。(引用:正しいスクワットフォームについて)
股関節は動かした方が良い関節なのはわかったけど、どれくらい可動域があればいいのか、疑問になると思います。
股関節を構成する骨盤や大腿骨頭の形状には、個体差があるんです。もちろん女性は男性の骨盤に比べたら、子供を産むために広く大きい形のことが多いですが、男性も女性も関係なく骨盤のひろがる角度などに違いがあります。大腿骨頭も成長して出来上がった形状が、大腿骨と大腿骨頭との角度や大腿骨頭の捻れに差が出てきます。
これらによって、形状上体幹が安定しづらい人もいれば、開脚をしたときに開きにくい人やめっちゃやわらかい人もでてくるんですよね。そのため、千歳市の青葉鍼灸整骨院では、股関節や腰の症状で来院された方には、その人がどれくらい元々股関節を動かすことができる人なのか、どういった体勢が多くてどこに負担をかけやすいかなどを確認してから治療をしていきます。そうしないと、骨の形状がこれ以上動かせれないものを無理矢理動かそうとしても骨同士がぶつかり痛みが悪化するだけだからです。
だから、その方には、このくらい動かせれたら問題ないよっていう角度を知っていもらったり、股関節が動かしづらい原因が股関節周りの筋肉や軟部組織が硬くなっている場合は、緩めたり伸ばしたりして動かしやすさを実感してもらい、症状を改善させていきます。
過去に、開脚の可動域を拡げるのに、ヨガに通ってから股関節の痛みを抱えた方がいて、股関節の形状を確認してヨガをやめてもらっただけで股関節の痛みは改善されたケースがあります。

この股関節のテーマでお伝えしたかったのは、股関節は股関節だけで動かしているのではなく、その周りの腰椎や大腿骨などを連動させて動かしているということです。ということは、股関節に症状がある人に股関節だけの治療を行っても大きな改善はみられません。全体的に診ていくことが重要になります。
そして、その症状は骨の形状の問題なのか、筋や軟部組織の問題なのかなどによって治療内容が変わります。千歳市の青葉鍼灸整骨院では、股関節が動かしやすくなった状態で治療は終えず、その人自身で股関節を動かす能力を身につけられるように、運動を積極的に行っていきます。そうすることで高齢者の場合は特に、自然に片足立ちなどをした時の体の安定性が向上していき、日常生活の質の向上につながっていきます。
①カウンセリング
ヒアリングをさせていただき、今どんなお悩みをお持ちなのかを確認します。
②アセスメント
身体の状況(姿勢、痛みの原因)を確認しながら、現在の状況を把握していきます。
③施術
痛みの原因となる筋肉、関節などに温熱治療器、高周波などを使ってアプローチします。
④エクササイズ
必要に応じてストレッチ、ピラティスなどを行い柔軟性を出していきストレスを改善します。
⑤プランニング
①~④を行った後に今後のプランを一緒に決めていきます。
千歳市の青葉鍼灸整骨院では、患者さんと適切なコミュニケーションを取り、身体の状態がどうなっているのか、だからこういうところに痛みが出ていて、こういう治療をしたら、こういう身体になるというところまで、お話をさせていただいております。
ご自身の原因がわからない不調・痛みや今回の記事にあてはまる症状など悩んでることがあったら、是非ご相談ください。

