
足を動かすと腰に痛みが出るあなたへ
千歳市の日常やスポーツでのケガ、交通事故後のムチウチなどを施術する整骨院。
青葉鍼灸整骨院の五十嵐です。
今回は「歩く時、足を動かすと腰に痛みが走る」「長く立っていると腰が不快になる」など、足の動きと連動して出る腰の痛みでお悩みの方に向けてお話しします。
痛みを「腰だけの問題」と捉えず、足・股関節・骨盤などを含めた全体像で見ることが、改善への近道になります。
足を動かすと腰が痛くなるとは?ーよくある症状パターン
足を動かすと腰が痛む、という現象は、次のようなパターンで現れることが多いです。
・歩き始めに腰が引っかかる。動き出すと痛みが出る。
・階段の昇り降りで腰がズキッとする。
・立ち上がる時、足を前に踏み出すと腰に痛みが出る。
・長時間歩くと腰のだるさ・疲労感が強くなる。
・片足で体重を支えると腰の反対側に痛みが出る。
こうした症状が出る背景には、腰(腰椎・仙腸関節など)だけでなく、股関節・骨盤の動き、筋肉・筋膜の連動性、神経の圧迫・牽引などが複雑に関わっています。
腰痛・股関節痛の統計データから考える実情

まずは、腰痛・股関節異常の実態をデータで見てみましょう。
1.腰痛の普遍性(世界・国際的データ)
世界保健機関(WHO)のファクトシートによると、世界で6億1,900万人が腰痛で影響を受けており、非特異的腰痛が腰痛全体の約90%を占めるとされています。(世界保健機関)つまり、「腰痛」はごく一般的な症状であり、多くの人が人生で一度は経験する可能性があります。
2.日本における腰痛の有病率・訴訟率
日本の筋骨格系障害関連の統計では、生涯罹患率(これまでに腰痛を経験したことがある人)は約83.5%と推定され、ほぼ多くの人が腰痛を経験する。
また、ある調査では勤労者の年間腰痛発生率が54.4%に達し、そのうち85.7%が「非特異的腰痛(特定の器質的原因が明らかでないもの)」とされています。(日本の保険医療行政)
3.変形性股関節症(股関節異常)の有病率
股関節も、腰痛に次いで無視できない関節のトラブル領域です。ー日本では、X線診断による変形性股関節症の有病率は1.0~4.3%とされ、これは日本国内でおよそ120万~510万人もの人々が該当する可能性があるという数値です。
また、変形性股関節症の発症率(新規発生率)は、男女合わせて7.5/1,000人前後という報告もあります。(kokansetu.or.jp)
特に、日本人では寛骨臼形成不全(股関節の被覆が浅い骨格構造)が変形性股関節症の原因となるケースが多数を占めると指摘されています。
これらのデータからわかるように、腰痛・股関節異常は決して珍しい問題ではなく、しかも慢性化・合併症化しやすいため、早期対応や予防が非常に重要です。
なぜ足を動かすと腰が痛くなるのか?ー構造的・機能的な要因

足・股関節の動きがそのまま腰に伝わる構造的・機能的なつながりがあるため、不調が波及しやすくなります。以下に主な要因を解説します。
1.股関節可動性の低下
歩く・脚を蹴る・足を後ろに引くなどの動作では、股関節がスムーズに動くことが不可欠です。ところが、股関節の可動性が悪くなっていたり変形性股関節症などがあると、代償として腰・仙腸関節に過剰な動きが強いられ、痛みを招きます。
2.骨盤・仙腸関節の運動不良
骨盤は股関節・腰椎との仲介点です。左右の骨盤の傾き、ずれ、回旋不良があると、足の動きが骨盤を介して腰に歪みやストレスを伝えやすくなります。
3.筋肉・筋膜の連鎖と不均衡
腸腰筋、大殿筋、中殿筋、大腿前後筋群、ハムストリングス、腰背筋などが歩行などの動作で協調しながら働く必要があります。どこかの筋肉が弱い、固い、使いすぎて疲れていると、他部位(特に腰)に負荷が回ってしまいます。
4.腰椎・椎間板・仙腸関節への負荷・変性
股関節機能や骨盤バランスが崩れると、腰椎・椎間板・関節への負荷が増え、変性・椎間板の膨隆・関節滑膜炎などが生じやすくなります。
5.神経牽引・刺激
足の動きに関わる神経(腰椎神経、坐骨神経など)が腰部で圧迫や牽引状態にあると、足を動かす際に神経が刺激され痛みを引き起こすことがあります。
これらの要因は複数が混在することが多く、「足を動かすと腰が痛い」の根本原因を見極めるには、丁寧な評価が不可欠です。
整骨院でできるアプローチ:あなたの腰・股関節を支えるために

千歳市の青葉鍼灸整骨院では、痛みを抑えつつ、構造・機能を整えていくアプローチが可能です。以下に典型的な施術・ケア方法をご紹介します。
〇初期評価・動作分析
まず、歩き方・立ち姿勢・骨盤の傾き・左右差・可動域の差などをチェックします。脚を動かした時・片足荷重時・階段動作時など、症状が出る場面を再現することが大切です。
〇筋・筋膜へのアプローチ
・トリガーポイント療法・圧迫解除:硬いしこり(トリガーポイント)があればそこをゆるめ、関連痛を軽減
・筋膜リリース・ストレッチ:腸腰筋・大殿筋・ハムストリングス・腰背筋などを滑らかに動くように整える
〇関節可動性改善
手技で股関節や腰椎・仙腸関節周辺の軟部組織を緩め、関節の可動域を出していきます
〇物理療法・補助療法
・温熱療法・超音波・電気刺激などで筋の緊張を和らげる
・テーピングやバンドで支持を補助
・ストレッチ補助具・筋膜ボールなどの補助器具
〇運動療法・セルフケア指導
・股関節可動性向上運動(例:股関節回旋運動・足振り運動など)
・骨盤安定筋トレ(中殿筋・内転筋・体幹筋など)
・歩行指導・荷重移動の改善
・生活指導(荷重のかけ方、靴選び、歩き方、日常動作の見直し)
これらを組み合わせて、「痛みを和らげる+動きやすさを取り戻す」プランを段階的に進めていきます。
まとめ
足を動かすたびに腰が痛むという悩みは、決して「腰だけ」の問題ではありません。股関節・骨盤・筋肉・神経など複数の要因が絡み合い、痛みや可動域制限を生じさせています。
千歳市の青葉鍼灸整骨院では、評価・手技・運動療法・姿勢調整などを組み合わせて、痛みを和らげつつ、足から腰への力の流れを改善するサポートが可能です。統計からもわかるように、腰痛、股関節異常は多くの人の課題ですが、適切なアプローチを行えば改善・予防は十分に見込めます。もし気になる症状や困っている事などありましたら、お気軽にご相談ください。















