
膝の痛みが良くならないサッカー少年へ
千歳市の日常やスポーツでのケガ、交通事故後のムチウチなどを施術する整骨院。
青葉鍼灸整骨院の五十嵐です。
~なぜ痛みが残るのか?整骨院でできる事~
「練習後に膝が痛む」「休んでも違和感が消えない」「動き出しや方向転換で膝がズキッとくる」ーーサッカーを続けていると、膝の痛みや違和感を抱える選手は決して少なくありません。
特に、痛みが「なかなか良くならない」ケースでは、単なるオーバーユース(使い過ぎ)以上に、体の使い方やバランスの不整、筋力アンバランス、膝関節そのものの状態など複数要因が絡んでいることがあります。
このブログでは、サッカー選手における膝痛の背景と、整骨院での対処・セルフケア・予防法を整理してお伝えします。
膝痛はサッカー少年によくある問題:統計でみる実態

まず、サッカー・若年選手における膝・下肢のケガ傾向を示す統計をいくつか見ておきましょう。
・青年・少年サッカー選手のケガ発生率(男女まとめ)では、年間5.70/1,000時間(男性)/6.77/1,000時間(女性)という報告があります。下肢(膝・足部)は最も傷害が多い部位の1つとされます。
・若年サッカー選手を対象とした学術研究では、外側・内側の脚部傷害の約29.3%が膝関節の部位であるというデータもあります。(リンク)
・パテラ(膝蓋)腱炎(いわゆる”ジャンパー膝”)は、サッカー選手でも発生率が認められ、若年のエリートサッカー選手では13.4%の発症率が報告されています。
これらのデータから、サッカーをプレーする若い選手にとって、膝の痛み・腱障害・関節のトラブルは比較的遭遇しやすい問題といえます。
なぜ膝の痛みが残るのか?ー背後にあるメカニズム・原因

痛みがなかなか良くならない膝痛には、以下のような要因が関係していることが多いです。
①オーバーユース(使い過ぎ)・疲労蓄積
サッカーでは、シュート、ジャンプ、ストップ&ターン、ダッシュ・ストップなど膝に繰り返し強い負荷がかかります。十分な休息や回復期間が取れていないと、膝周囲の腱・軟部組織に微細損傷が蓄積し、炎症・疼痛が続きやすくなります。
②筋力アンバランス・支持筋の弱さ
膝を支えるためには、大腿四頭筋、ハムストリングス、内側・外側広筋、腸脛靭帯、股関節の筋肉(大殿筋・中殿筋など)が協調して働く必要があります。
例えば、膝を内側に引き寄せやすい筋力バランス(内転筋過剰や外転筋弱さ)があると、膝に不自然な力がかかり、痛みが改善しにくくなります。
③可動域制限・柔軟性低下
・股関節の可動性制限:股関節が硬くなると、膝が代償的に働かされる動きが増え、負荷が集中しやすくなります。
・足関節可動性制限:足首の動き(背屈・底屈)が制限されていると、着地や推進動作時に膝に偏った力がかかることがあります。
・大腿前面や腸腰筋・ハムストリングス・内転筋の硬さ:これらが硬いと、膝を曲げた時の負荷分散がうまくいかず、痛みが出やすくなります。
④動作パターン・フォームのクセ
・キックや切り返し動作での「軸足の立て方」が悪い
・膝の使い方が不適切(膝が内側に入る、ねじれ動作が大きいなど)
・加速・減速・方向転換時の体重移動のずれ
こうした癖が繰り返されることで、膝に局所的ストレスが蓄積され、痛みが残りやすくなります。
⑤過去の膝障害・成長期因子
過去にオスグッド(成長期膝疾患)を患った事がある選手は、膝関節や付着部の柔軟性・構造に影響が残っていることがあります。ある研究では、オスグッド病既往のある選手では膝関節機能スコアが健常者に比べて劣る傾向があるという報告もあります。(リンク)
また、ACL損傷や半月板損傷などが起こると、膝関節そのものの構造が損なわれ、それ以降の膝痛が慢性化しやすくなります。サッカー選手におけるACL損傷率も練習よりも高いという報告があります。
整骨院でできる対応・サポート

膝の痛みを改善し、再発を防ぐために、千歳市の青葉鍼灸整骨院でできるアプローチは次のような段階で構成されます。
・痛みの性質・発生動作(切り返し・ジャンプ・ストップ時など)を詳しく聞き取る
・視診・触診:腫れ・圧痛部位・筋硬結・可動域制限を確認
・可動域測定:膝・股関節・足関節の可動域チェック
・筋力検査:膝支持筋・股関節筋など
・動作解析:キック・切り返し・着地動作を動画等でチェック
・過去病歴確認(オスグッド、ACL既往など)
・必要に応じて整形外科紹介・画像検査(MRI・レントゲン)
この段階で、「なぜ改善しないか」の本質を把握することがポイントです。
・炎症・腫れ・熱感がある場合はアイシング・冷却療法
・電気療法・超音波療法など軟部組織の修復をサポート
・軟部組織(筋膜・腱・膝包など)への手技療法
・テーピングや関節支持テープで膝関節を補助
この時期に無理をすると悪化するだけなので、痛みを抑えることを優先します。
・大腿前面・後面・内転筋・腸腰筋・ふくらはぎのストレッチ
・股関節可動性改善
・足関節可動性改善(特に背屈可動性)
・筋膜リリース・トリガーポイント療法
可動性が改善すれば、膝にかかる歪みが減り、痛み改善への土台ができます。
・大殿筋・中殿筋・外転筋強化
・内転筋・ハムストリングス・大腿四頭筋のバランス強化
・体幹安定性トレーニング(腹横筋・多裂筋など)
・片足スクワット・ステップダウン等で膝の軸ぶれ改善
・バランストレーニング・不安定面訓練
この段階で、「動かせる体」から「制御できる体」へと進めていきます。
・切り返し・加速・減速・キック動作のフォーム改善
・膝が内側に入らない使い方、膝軸意識のトレーニング
・動作を鏡・動画でフィードバック
・練習中に注意すべき動作パターンの指導
正しい動作パターンが身に付けば、痛みの再発を抑えることが可能です。
・練習量・強度の段階的増加
・ウォームアップ・クールダウン導入
・定期チェック(可動域・筋力・動作)
・自宅でのセルフケア指導(ストレッチ・トレーニング維持)
注意すべきサイン・病的膝障害を疑う時
以下のような症状がある場合は整骨院対応だけでなく、整形外科での画像診断や専門医の診察が必要です。
・膝が膨れる・腫れて熱感が強い
・ロッキング(膝が動かない)やクリック音・引っかかり感がある
・強い安静時痛・夜間痛
・半月板損傷・靭帯損傷の既往や不安定感がある
・長期間(数か月)痛みが改善しない
まとめ:諦めずに根本から改善を目指そう
膝の痛みが長引くサッカー少年には、使い過ぎだけでなく、関節可動性・筋バランス・動作パターン・過去歴といった複数の要因が絡んでいることが多いです。
千歳市の青葉鍼灸整骨院では、痛みを抑えるだけでなく、体の使い方そのものを見直し、膝に負担をかけない動きを身につけるまでを支えることができます。
「また痛むかもしれない」とビクビクしながらプレーするのではなく、正しいケア・動き方を身につけて安心して練習・試合に臨める体を一緒に作っていきましょう。もし気になる症状や困っている事などありましたら、お気軽にご相談ください。















